idea factory from newspaper 2003 7 17

財政赤字(budget deficit)
 アメリカも日本も、巨額の財政赤字が問題となっています。
日本の場合は、戦後復興が終わったにもかかわらず、
巨額の税金を公共事業につぎ込んだことが、巨額の財政赤字の原因になった。
戦後復興が終わった時点で、公共事業から、新しい産業へと、
産業構造の転換を図るべきであった。
これは、現在、不振に苦しむ構造不況業種と同じ構造です。
不振に苦しむ企業は、時代の変化に気づかず、古いままでいた。
これが、不振の原因となったが、今の日本政府も、構造不況業種である。
 一眼レフのカメラが売れなくなって、
不振となったカメラメーカーは、どうなったでしょうか。
キヤノン、オリンパス、ニコン。
特に、オリンパスは、一眼レフカメラの市場で負けて、市場から退場したはずです。
 さて、アメリカも、財政赤字が過去最大となった。
これが、アメリカの命取りになる可能性があります。
財政赤字の拡大で、長期金利の急上昇を招く可能性があります。
日本においては、長期金利の急上昇になっても、
国民の生活には大きなダメージにならないでしょう。
日本人は、貯金民族です。
預金金利がゼロ金利の状態になっても、大半の日本人は貯金に専念しています。
アメリカ人は、貯金は、あまり好きでないでしょう。
1990年頃だったでしょうか。正確な本の題名は忘れましたが、
「1995年アメリカ合衆国破産」という本を読んだことがあります。
 アメリカの場合も、日本と同じような構造です。
アメリカの場合、ソ連という強敵が消えたにもかかわらず、
軍の構造が冷戦時代と変っていない。これが、財政赤字の原因でしょう。
減税は、景気回復に必要な政策です。
冷戦が終わったのですから、冷戦対応型の古い国防予算を見直す必要があります。
 とりあえず、国防予算の総枠は同じで、
兵器の予算を削り、兵士の給料を上げる必要があります。
アメリカの兵士の給料は、かなり安い。
兵士の給料が上がったところで、兵士は貯金などしません。
そのまま、消費となります。これで、景気回復になりますし、税収増になります。
国防予算の総枠は変えないで、中味を変えただけで、税収増となります。
兵士を使って、税収増が可能です。
兵士は、戦場で使うだけでなく、景気回復手段にも使うのです。
 イラク状勢を考えると、このままでは、泥沼化します。
そうすると、半永久的に、アメリカ軍は、イラクから出られなくなります。
イラク駐留の費用が巨額の費用となるでしょう。
イラクの独裁政権を倒し、イラク民主化へ出発という目的が達成されましたので、
イラクから、早めにアメリカ軍を引き上げて、
後は、多国籍軍や国連軍に任せた方がいいでしょう。
 これは、企業の経営と同じです。
このイラク開戦とイラク統治を、企業的な評価で、考える必要があります。
企業の経営者ならば、イラク開戦とイラク統治をどう考えるか。
これを、ひとつの事業として、考える必要があります。
いずれにせよ、イラク駐留は、少なくとも、5年から6年はかかるでしょう。
イラク駐留費は、1日1億ドルぐらいでしょうか。